セメント

粒度管理によるセメントの物性制御

住宅、ビル、道路など、現代のあらゆる建築物やインフラを構築する際にセメント関連材料は欠かせません。コンクリート、石膏、モルタルなどの結合材として、セメントは世界中で最も使用されている建築材料（Sympatec英語サイトへ）のひとつです。
セメント粉体に水を加えるとペーストになり、それが水和によって硬化することで、耐久性のあるセメント石になります。世界的に大量に生産されるため、セメント業界はさらなる高品質化と省資源・省エネルギー化などの課題に直面しています。

ポルトランドセメントクリンカー、水砕スラグ、ポゾランセメント、フライアッシュ、バーントシェール、石灰石、シリカフュームなどの一般的なセメントでも、その主成分は多岐に渡ります。その上、早結性や速結性、低水和熱、高耐硫酸性や低アルカリ性など、特定用途向けの特殊なセメントもあります。 セメントの品質を決定づける要素は、第一は原材料の化学組成ですが、第二はセメントの粒度分布です。もしセメントの化学組成同じなら、粒子の細かさと均一さによって圧縮強度が決まります。原料の粉砕度が高いほど、固化の進行が早く、28日後の圧縮強度が高くなります。 無機物や鉱物原料の粉砕物などの二次成分は、その粒度分布に応じてセメントの物理的特性を向上させます。また、添加剤や単一成分の個別粉砕（Sympatec英語サイトへ）によっても、作業性、保水性、強度などのセメントの収縮・膨潤に関する諸特性が改善されます。

 

セメント産業の生産コストの約半分は、主に燃焼と粉砕時に消費されるエネルギーです。そのため、セメントの品質と生産効率を両立するためには、各粉砕工程における粒度分布の監視と制御が不可欠です。セメントの粉砕と粒度分布の測定をリアルタイムに行うことで、過粉砕による余剰コストを抑えられるだけでなく、セメントの品質を精確に制御することができます。 ふるい分けやブレーン法などの従来の測定方法では、測定に時間が掛かる上に、単一の粒度代表値しか得ることができません。一方、レーザー回折法では、煩雑な操作をすることなく、高分解能な粒度分布結果が得らることができます。このレーザー回折法に、強力な乾式分散器を組み合わせることで、ほんの数秒の測定でセメントの全粒度範囲の粒度分布を高真度かつ高精度に測定することができます。

Sympatec社のレーザー回折式測定装置は、セメント産業における粒度分布測定の全領域をカバーしています。乾式粒子測定技術の先駆者として、Sympatec社は国際的なセメント市場において数多くの製品やプロセスに特化した装置を提供しています。品質検査室での使用 (オフライン)、ラボオートメーション (アトライン)、またはプロセスへの統合 (オン/インライン) により、工程に迅速にフィードバックすることで、最高の製品品質を実現できます。さらに、乾式測定により、最小限の試料量と手間で高いスループットを実現します。

Sympatec社のレーザー回折式粒度分布測定装置は、世界中のセメントメーカーで使用されています。装置自体の堅牢な構造に加えて、認定サービス員による専門的なメンテナンスにより、過酷な使用条件であっても長期間にわたって安定した測定性能が維持されます。ラボ用途やプロセス用途に関わらず、堅牢性と安定性に信頼と定評があります。