画像解析法によるメチルセルロースの粒子径と粒子形状の評価
医薬品製造において賦形剤は、粉末、顆粒、吸入剤、錠剤、糖衣錠、軟膏、クリーム、ゲル、液体など、ほとんどの剤形に不可欠です。賦形剤の役割は、安全に使用でき、剤形を改善し、有効成分の放出速度やバイオアベイラビリティを制御し、十分な耐久性を確保することです。品質、有効性、安全性を保証するために、当局では賦形剤に対して有効成分と同等の規制を確立しています。したがって、粒子径と粒子形状が、その品質を左右します。
メチルセルロースは多糖類であり、セルロース誘導体です。繊維状の構造を持つ親水性の白色粉末であり、冷水に可溶で、体内で消化されやすいという特徴があります。機能的には、糖衣として有効成分やコアを埋め込むことで、有効成分の放出を制御します。また、打錠時にはバインダーとして圧縮性を向上させたり、あるいは湿式造粒時には増粘剤やゲル化剤として機能します。これらのメチルセルロースの機能性は、繊維の長さと太さによって決定されます。
粒度分布 (繊維長) と粒子形状分布 (伸長度)
- 粒子径と粒子形状の迅速かつ再現性の高い測定
- 異なる工場・事業所間での測定結果の比較が容易
- 確実かつ完全な乾式分散
- 測定システムの操作や清掃が容易
- プロセス向けの制御
- 品質評価に適した形状パラメータの表示
Sympatec社の画像解析式装置は、すべての粉末賦形剤の粒度分布、形状、繊維の特性を確実に、正確に、かつ迅速に測定します。これらのシステムは、ラボでの医薬品の開発や、量産工程での品質管理に使用されています。また、乾式分散器RODOSを使うことで、より大量のサンプルをより短時間で測定できるため、統計的に信頼できる測定結果を得られます。Sympatec社の卓越した乾式測定法は、測定値の再現性や器差の少なさに定評があるため、別の生産現場での測定結果とも比較できます。製品ごとの測定条件は標準作業手順 (SOP) として個別に保存でき、他の測定器にも簡単に共有できます。これらの精確な測定によって、製品間で一貫した品質とバッチ間の整合性が確保されることで、最終製品の品質が裏付けられます。
アプリケーションの優位点
- 圧縮空気中に繊維を完全かつ再現性よく分散させることが可能
- 迅速な測定、高いサンプル処理能力、簡単なクリーニング
- 500フレーム/秒の周波数で、1分間に100万個以上の粒子を捕集し、高い統計的信頼性を実現
- 微粒子と繊維状成分の両方を統計的に有意に収集
- 10µm以下から数mmまでの広い測定範囲
- 粒子径に応じた効果的な評価モード
- 豊富な表示オプション: 粒度分布図、形状図、粒子ギャラリー、動画
- 任意の解析範囲を設定することで、母集団から特定のサンプルのみを部分的に解析可能
ユーザーのメリット
- 粒子径と粒子形状を定量的に測定
- 篩分け法との高い相関性
- 異なる測定器間で測定結果の比較
- 多彩な粒子径定義および形状記述子が適用可能
- 円相当径を解析することで、粘度や結晶性に関する指標を評価可能
- 繊維長を解析することで、篩分けでの詰まりやすさを評価可能
- 真球度や伸長度を解析することで、流動性やゲル化性を評価可能
代表的な装置構成
QICPIC + RODOS/L + VIBRI/L(Sympatec英語サイト内ページへ遷移します)
アプリケーションの優位点
- プロセスラインからの自動かつ代表的なサンプリング
- 乾式分散器RODOSによる強力かつ完全な分散
- プロセス測定で、ラボ測定と同等の測定結果を取得
- 集合体としての性質(粒度分布や粒子形状分布)だけでなく、粒子個々の測定値も提供
- プロセスおよび生産環境で継続的に使用できる堅牢な設計
ユーザーのメリット
- 少量のサンプルでも、有意な分析結果が得られる
- 様々な解析パラメータで、あらゆる製品特性にも対応
- 粒子径だけでなく、形状も定量的に評価できる
- 多角的な測定結果により、高度な不良品解析が実現
- 粒子径と粒子形状の双方を解析することで、より最適なプロセス条件出しが実現