医薬品製造における粉砕工程の粒度分布監視
製薬業界では、薬剤活性物質や賦形剤の製造および使用において、品質と信頼性が最も重要視されています。その目的は、製造時にこれらの物質を安全に取り扱い、作業者を保護することだけでなく、製品やプロセスの開発において適切な品質のコンセプト、いわゆるQuality by Design (QbD) を用いて、欠陥のない製品品質を確保することです。このコンセプトの一環として、米国食品医薬品局 (USFDA) のPAT (Process Analytical Technology) 構想があり、中間製品から最終製品が完成するまでの生産工程を、工程内管理手段を用いてモニタリング・管理しています。そのためには、原料やインプロセス材料の重要な品質特性 (CQA) に影響を与える重要な工程パラメータ (CPP) を、リアルタイムで測定する必要があります。そこで、製造プロセスを分析・制御するための適切なシステムが必要です。
固形剤用の有効成分粉末を製造する際の一般的なプロセスは、キログラム単位でのバッチ式エアジェット粉砕です。適切なオンライン分析手段が無い場合は、粉砕工程を定期的に中断して、個々のサンプルを手作業で取り出し、それをラボ内の装置で測定することで、粉砕の進捗状況を確認する必要があります。分析結果が得られるまで、粉砕プロセスは中断されてしまいます。
しかし、オンライン粒度分布測定では、粉砕プロセスの中断や、活性物質の封じ込めを行うことなく、粉砕度をリアルタイムで監視できます。TWISTERやL-Probeなどの適切なサンプリングシステムを使用することで、プロセスから最小限かつ代表的なサンプリングを行い、レーザー回折式測定器MYTOSに導入できます。オンライン測定によって、粒度分布の測定結果がリアルタイムで取得されます。このようにして、形状、量、分級機の速度などの粉砕パラメータを運転中に最適化できます。有効成分は、プロセス全体を通して密閉に保たれるため、系外が汚染される心配もありません。
アプリケーションの優位点
- TWISTERによる、0.5g未満/測定の代表的なサンプリング
- 高感度で再現性の高い測定結果
- 乾式分散機RODOSとオートフォーカス機能が統合
- TWISTERとMYTOSの迅速で簡単なクリーニング
- GMPに準拠した設計、Clean-in-Place (CIP) に最適
- 爆発の危険性がある環境での使用が可能 (防爆構造)
ユーザーのメリット
- 粉砕制御のためのリアルタイムの粒度分布
- 不良ロットやスクラップの発生を防ぐ
- 生産工程全体のシームレスな品質管理
- サンプリングのために粉砕工程を中断なし
- 工程管理と品質管理の両立
- コンタミのない作業