湿式分散は、スラリー、エマルション、気泡などの、分散媒が液体である試料に最適な分散法です。撹拌やポンプによる循環によって粒子の加速や流れが生じ、それによる抵抗 (圧力や摩擦力) や慣性力によって粒子が分散されます。また、必要に応じて、超音波 (キャビテーション力) や分散剤を用いることで、より大きな分散力を与えられます。このように、湿式分散では多彩な分散技術が適用できるため、乾式分散よりも比較的容易な手法といえます。そのため、湿式分析は乾式分散よりも以前から普及しています。
キュベットやフローセルで測定する場合には、測定法に応じて試料濃度を適切に調整する必要があります。これを実現するためには、分散器の容量や光路長を試料ごとに最適化する必要があります。
Sympatec社の分散器は、撹拌機、ポンプ、超音波発振器が搭載されており、あらゆる試料を適切に分散できます。分散器によって6ml~数リットルの容量と、30µm~20mmの光路長が選択可能です。そのため、粒子径0.1µm~>10mmの試料を、数ミリグラム~数グラムで測定できます。必要に応じて、温度制御装置や耐食性材料も搭載でき、油や有機溶媒などの様々な分散媒に適合します。