プロセスにおけるオンライン粒度分布測定
製造プロセスをリアルタイムで制御・管理することは、資源を有効に活用し、高品質な生産を行うための最も効果的な方法です。プロセス計測技術を応用することで、品質に関わる重要なパラメータを厳密に管理することができ、プロセスへの迅速なフィードバックが可能になります。そうすることで、不良品や廃棄物を低減し、歩留まりを劇的に向上できます。不良バッチは、廃棄するか、多大なコストをかけて再加工する必要がありますが、歩留まりを向上できれば、これらのコストを大幅に削減できます。製薬業界では、Quality by Designの取り組みの中で、製造プロセスをより深く把握し、理想的なプロセス管理を実現することを目的として、プロセス制御の要件を定めています。製品の品質を後から見直すのではなく、適切な生産設備と迅速なプロセス制御を活用して、生産段階から品質を確保する必要があります。
粒子径や粒子形状などの指標を用いたプロセス制御は、様々な方法で実現できます。原則として、有効かつ有意義な測定結果を得るためには、以下の3つの要件を全て満たす必要があります。
• プロセスにおける代表的なサンプリング
• 採取したサンプルの最適な分散
• 精確な測定装置
プロセス計測がもたらす可能性
粒子計測をプロセスに組み込むに際して、サンプリング方法、サンプル輸送方法、組込位置、測定頻度などを考慮する必要があります。Sympatec社の測定装置は、柔軟なインターフェースを備えており、さまざまな方法で主配管に接続できます。例えば、手動でサンプルを測定機器に供給する従来のラボ測定 (オフライン)、オートサンプラーなどと組み合わせたラボオートメーション (アトライン)、プロセスから分岐した配管への接続 (オンライン)、プロセスや反応槽への直接接続 (インライン) まで、多岐にわたります。
インライン粒度分布測定
サンプラーと測定装置は、プロセスの主配管に完全に統合されます。超音波減衰式のOPUS は高濃度サンプルを測定可能なので、配管や反応槽に直接接続できます。レーザー回折式MYTOSのような光学的手法では、サンプルを適切に分割した後、光学的濃度を調整する必要があります。そのため、サンプルの分散は、測定の直前に行われます。
オンライン粒度分布測定
分散器と測定装置から成る測定システムは、主配管から分岐されたバイパス配管で動作します。サンプルは、インラインサンプラーを介してプロセスから取り出され、測定システムに供給され、定期的に測定されます。測定されたサンプルは、主配管に戻すことも、廃棄することも、回収することもできます。
アトライン粒度分布測定
生産ラインからサンプルを取り出し、遠隔の測定システムまで輸送し、供給します。供給されたサンプルは、ラボ向けの方式と同様に測定され、任意の測定結果が出力されます。これら一連のプロセスは全て自動化できます。
プロセス計測に最適化された粒度分布測定技術
ラボ計測用として実績のあるSympatec社の測定装置と分散器のほとんどは、プロセスやラボオートメーションでも使用できます。ラボ計測用とプロセス計測用で同じユニットを使用することで、測定結果に高い互換性が得られるため、ラボでの製品開発からプロセスでの大量生産までのスケールアップが容易です。また、専用の制御・評価ソフトウェアPAQXOSは、制御システムへの通信に必要なインターフェースを全て備えており、リアルタイム制御の確立に最適です。
一般的な装置構成
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一般的な装置構成
OPUS-AF
OPUS-BP
OPUS-FT
OPUS-FT MULTIPLEXER
Instrument Finder(アプリケーションや要件に応じて最適な装置をご提案します)