インライン用 超音波減衰式 粒度分布測定装置
OPUSは0.1~3000µmの懸濁液またはエマルジョンの粒度分布と濃度を測定できます。OPUSは結晶化、粉砕、均質化などの各工程に採用されており、長年にわたってその高い性能が実証されています。OPUSは様々な用途に導入可能で、生産ラインだけでなく、試作用プラントやラボ環境にも最適です。
製造時に用いられる高濃度のスラリーやエマルジョンのほとんどは不透明です。そのため、レーザー回折法などの光学的な測定方式で測定する場合は、高希釈する必要があります。希釈するには煩雑な手間を要するだけでなく、元の分散状態が変化するおそれがあります。これに対して、超音波減衰法では音波が伝播すれば測定可能なので、全く不透明な高濃度の試料でも希釈せずに測定可能です。実際には、体積濃度5~50%のスラリーやエマルジョンに最適で、さらに体積濃度70%のペースト類も測定できる場合もあります。
OPUSシステムの装置構成
OPUSは専用のアダプタを介して、任意の配管や容器に接続できます。JIS 200A以上の大口径配管やタンク壁面に直接接続する場合は、AFアダプタを使用します。細い配管やバイパス配管に組み込む場合は、より小型なFTアダプタやBPアダプタを使用します。またOPUSを専用のSBラックにマウントすれば、試作プラントやラボでの用途にも適用できます。
装置構成 | 適合アダプタ | 取付方法 | 流量 | 測定量 |
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OPUS-FT | FT(Flow Through)アダプタ | 配管(JIS 10A~25A) | 最大2000 L/h | 10~1000 L/h |
OPUS-BP | BP(Bypass)アダプタ | 配管(JIS 50A~200A) | 最大 10000 L/h | 10~1000 L/h |
OPUS-AF | AFアダプタ (Adapter Flange) | 配管(JIS 200A以上)、または容器内 | >10000 L/h | 10~1000 L/h |
OPUS-MPX | MULTIPLEXER | 配管×4本を統合 | >20000 L/h | 10~1000 L/h |
超音波減衰法は、光の代わりに低エネルギーの音波を使用します。圧電素子の発信機から出力された音波は、試料中を通過しながら減衰 (すなわち、音響エネルギーが損失) し、対面にある圧電素子の受信機で検出されます。OPUSでは、これを最大31chの周波数で測定し、周波数ごとの減衰量を減衰スペクトルとして記録します。減衰スペクトルは試料の粒子径と濃度に依存するため、これを解析することで、粒度分布が測定されます。
超音波減衰法では、光の代わりに音を使用するため、測定結果は試料の透明度に影響されません。そのため、鉱石スラリーや原油中の水などの、完全に不透明な試料でも測定できます。さらに、固形分含有量が高い塗料や糖液なども、この測定法が適用できます。
さらに、超音波減衰法ではセンサーを試料に直接接触させるため、それらの材質を工夫することで、一般的なプロセス条件に耐える堅牢性が確保できます。OPUSではガラス状炭素製のセンサーを用いているため、最大温度120°C、最大圧力40bar、pH1~14に対応し、耐摩耗性も高いです。また、オプションで防爆構造 (ATEX準拠) も可能なので、危険箇所にも設置可能です。
専用の制御ソフトウェアPAQXOSは、OPUSの全機能を制御できるだけでなく、PLCなどの外部機器と通信できます。そのため、任意のプロセス制御システムと連携して、OPUSでの測定、結果出力、測定条件変更などを自動化できます。さらに、PAQXOSはFDA 21 CFR Part 11に完全に準拠しており、世界中の製薬メーカーに採用されています。