鉱石スラリーの粒度をリアルタイムで監視

鉱物原料の製造工程は、まず豊富な鉱石を採掘し、それを粉砕機やグラインダーで砕く作業から始まります。何トンという重量で切り出された岩石を、1ミリ以下の粒子にまで粉砕します。この粉砕工程では、粒子径の変化が6桁に及ぶこともあるため、通常は複数の段階に分けて行われます。粗粒の粉砕工程では、古典的な粗粉砕機が使用されます。さらに、一次および二次粉砕では、自生ミルまたは半自生 (SAG) ミル、ボールミルまたはロッドミルなどが用いられます。原料が十分に細かい場合は、浮遊選鉱によって再利用可能な材料と廃石 (残留鉱物) が分類されます。このようにして得られた物質は、精鉱と呼ばれます。

 
この工程で特に重要なのは、粒子の大きさです。もし粒子が大きすぎると、廃石を鉱石から分離できず、得られる精鉱の純度が低くなります。逆にもし粉砕しすぎると、粉砕コストの増加、処理能力の低下、浮上分離時の薬品や廃液の増大などのデメリットが発生します。さらに、浮遊選鉱の効率は、スラリー濃度に大きく依存します。そのため、浮遊選鉱槽に供給されるスラリー濃度も、重要なパラメータの1つです。
 
最後の粉砕工程から浮遊選鉱槽に移行する際に、理想的な粒径とスラリー濃度を維持するには、スラリーの粒度分布をリアルタイムに監視する必要があります。そのためには、主配管中の膨大な流量から、適量かつ代表的な試料量をサンプリングする必要があります。また、測定器には、高速で流れる鉱石の摩耗に十分に耐えうるような、堅牢な構造が求められます。
 
  • 粒子径に基づく精鉱純度の管理
  • 粉砕や篩分けの際に、粒子径や固体濃度をリアルタイムに測定可能
  • 過粉砕を防ぎ、エネルギー消費を削減
  • 測定器をプロセス制御システムに接続して、プロセスへのフィードバック制御を実現
  • 浮遊選鉱時のスラリー濃度の制御

 
 

 

より良い粒子を、最高の測定器で

超音波減衰式粒度分布測定装置OPUSで、鉱石スラリーの粒度分布と固体濃度を同時にリアルタイムで測定できます。音響法による測定方式のため、高濃度のスラリーも無希釈で測定できます。そのため、最大300Lのスラリーを、わずか数分以内に分析できます。
また、1台のOPUSで複数のラインを測定することも可能です。専用の制御ソフトウェアPAQXOSを介してPLCと接続することで、OPUSの測定、結果出力、測定条件変更などを自動化できます。