最も汎用的なレーザー回折式粒度分布測定装置

HELOSはレーザー回折式の粒度分布測定装置です。0.1～8750µmまでの粒子径に対応し、あらゆる粒子の粒度分布を精確に測定します。また、様々な分散器と組み合わせることで、粉末、顆粒、スラリー、エマルション、スプレーなどの様々な試料に対応します。

HELOSの特徴は、レーザー回折法の原理に最大限に忠実な設計による、高真度・高精度測定です。高い測定真度に寄与するフーリエ光学系、あらゆる回折像を正確に捕捉する半円型センサ、最高の分解能を提供するマルチレンジ方式など、伝統的な技術が高次元で集約されています。マルチレンジ方式とは、フーリエレンズの倍率に応じて測定範囲を8つに区分することで、どの測定範囲でもセンサを常に最大感度で使用する仕組みです。試料の粒度分布に応じた最適な測定範囲を選択することで、わずかな粒度の差異も高精度で捉えられます。そのため、HELOSの測定精度は、ISO 13320「Particle size analysis — Laser diffraction methods」(JIS Z 8825「粒子径解析―レーザ回折・散乱法」) の要件を上回っています。

HELOSは、毎秒2000回もの高頻度でデータを取得するため、短時間でも統計的に有意な測定結果が得られます。これにより、試料の使用量を劇的に削減できるため、医薬品の原薬など、希少性や毒性の高い試料の測定に有用です。さらに、スプレーのような試料も直接測定でき、数ミリ秒以内の粒度のわずかな推移ですらも、極めて正確に捉えられます。

HELOSでは、FREE (Fraunhofer Enhanced Evaluation) とMIEE (Mie Extended Evaluation) の2種類の解析アルゴリズムを使用します。FREEは、フラウンホーファー回折理論の適用範囲を拡張したものです。より安定した逆演算手法、最適な光学モデル、検出信号の統計処理を組み合わせることで、1µm以下でも安定して解析できます。フラウンホーファー回折理論では、屈折率などの光学パラメータが不要のため、不透明や不均質な試料でも粒子径を正確に解析できます。一方MIEEではミー散乱理論に則った解析が可能で、スプレーや気泡などの透明かつ均質な試料に対して効果的です。