ラクトース

粒度分布測定による、ラクトースの品質向上

ラクトース (乳糖) は、わずかに甘味のある白色結晶性粉末です。グルコースとガラクトースから成る二糖類であり、製薬業界では賦形剤 (充填剤、結合剤) として広く使用されています。ラクトース粉末は、製造時に粒子径、形状、粒度分布を管理することで、成形性、流動性、造粒性を自在に制御できます。

ラクトースは牛乳に含まれる天然の糖質であるため、乳糖とも呼ばれます。ラクトースの原料である乳清は、チーズの製造過程で副産物として得られます。これを濃縮することで乳糖を結晶化させ、それをろ過、洗浄、乾燥して精製されます。用途に応じて、純度や含有量の異なる様々な原料が製造されます。例えば、医薬品原料としては、99.5%以上のラクトース一水和物という極めて高純度なものが使用されます。

特に、経口固形製剤や吸入用乾燥粉末の製剤化プロセスでは、様々な粒度分布や形状のラクトースが使用されます。なぜなら、ラクトース粉末の圧縮性、流動特性、造粒性は、その粒度分布や形状に直接依存するからです。これらの物性は、ふるい分け、粉砕、噴霧乾燥、または造粒によって調整され、打錠、造粒、混合の各プロセスにおいて最適となるように製造されます。したがって、迅速かつ信頼性の高い粒度分布測定により、様々なラクトース製品を一貫して高品質に保つことができます。

Sympatec社のレーザー回折式粒度分布測定装置HELOSは、ラボでの品質管理はもちろんのこと、大量生産におけるプロセスにおいても、すべてのラクトース粉末製品の粒度分布を精確かつ迅速に測定できます。乾式分散器RODOSの卓越した分散技術によって、より大量のサンプルの高い再現性で分散できるため、統計的に信頼できる測定結果が得られます。またRODOS自体の堅牢な構造により、測定値の経時安定性が高いだけでなく、別装置との器差も最小限に抑えられます。製品ごとの測定条件は標準作業手順 (SOP) として個別に保存でき、他の測定器にも簡単に共有できます。これらの精確な測定によって、製品間で一貫した品質とバッチ間の整合性が確保されることで、最終製品の品質が裏付けられます。

HELOSとRODOSによる乾式測定では、基本的に測定系が汚れないため、最小限の保守で運用できます。また、装置自体の堅牢な構造と相まって、優れた可用性と長い耐用年数を備えています。さらに、当社のサービススタッフが、システムのケアやメンテナンス、再バリデーションなどをサポートします。世界中の医薬品メーカーや研究所に多数の納入実績があり、製薬業界から定評があります。

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篩分品

篩にかけられることで、比較的狭い粒度分布となったラクトースです。この製品は、良好な流動性と混合性があり、小袋充填、カプセル処方、直接打錠などに使用されます。

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粉砕品

様々な細かさと粒度分布になるように粉砕されたラクトースです。微細で鋭利な結晶なので、凝集性が高く、流動性は低い傾向にあります。この製品は、主に造粒とその後の打錠に使用されます。細かく粉砕された乳糖の優れた圧縮性は、錠剤硬度の向上に有利です。

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スプレードライ品

溶液をエアロゾル状に噴霧した状態で乾燥させたラクトースです。非晶質マトリックスと微結晶から成る球状の凝集体で、粒度分布が比較的狭いです。この製品は非常にコンパクトで、優れた流動性を持ち、発塵性も極めて低いです。そのため、小袋やカプセルへの充填、直接打錠用の製剤、あるいは流動性改善材として適しています。

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顆粒

湿式造粒によって作られる、ラクトース一水和物の凝集体です。この製品は、粗結晶特有の流動性と、細粉砕品の圧縮性を併せ持ちます。混和性が高く、発塵性が低いので、直接打錠するのに最適です。粒子径分布の範囲が狭いほど、流動性は高くなります。

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微粉化品

非常に細かく粉砕されたラクトースの結晶から成り、その90％以上が10μmよりも細かいものです。この製品は、凝集性が非常に高いため、同程度の粒径の有効成分 (API) との混合して、製剤の分離を効果的に防ぐために使用されます。また、流動性や吸入性にも影響を及ぼすため、ドライパウダー型吸入器 (DPI) の処方においても重要な役割を担っています。

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吸入用

ラクトースは、ドライパウダー型吸入器 (DPI) として肺に投与するための製剤にとって、最も重要なキャリアー物質です。有効成分や吸入器の種類に応じて、様々な粒度分布のラクトース製品と混合することで、必要な機能を実現できます。吸入剤の処方には、粉砕品、微粉化品、篩分品が使用されます。